年末恒例の義父母への手紙

手紙の始まり
私が義父母に当てて手紙を書くようになったのは、主人と一緒に暮らすようになってしばらくしてからでした。
現在私たち夫婦が住んでいるのは私が生まれ育った新潟で、彼のご両親が今も住んでいる実家は東京にあります。

彼のお母さんの妹さんが埼玉で専業農家をしていらして、よく野菜をいただくらしく、主人の実家から私たちにも「おすそ分け」が届きます。ちょっと不思議な感じですが、東京から新潟へ美味しくて新鮮な野菜の宅急便です。
野菜の他にもいろいろなモノを入れて送ってくださるのですが、その中に彼のお母さんから私に宛てたお手紙が入っていたことがありました。
そのお手紙は、文字を書いてある便箋の下に白紙の便箋が一枚添えてあり、それを見て私は、子供の頃に母から教わった事を思い出しました。
母の話によると、手紙を書いたとき、最後に白紙の便箋を添えるのは「お返事お待ちいたしております」と言う意味なのだと。
そんなことを主人に話すと「別に気にしなくてもいいし、もし気が向いたら、あなたも手紙書いてあげてよ」とのことでした。
と言うことで、彼のご両親へ宛ててお返しにと、新潟名物のコシヒカリなどを送った際、私も手紙を添えたのが始まりでした。

大人になり書かなくなった手紙
子供の頃、かわいいレターセットなどを買って、お友達と文通をした経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私は小学生の頃、隣町の女の子と仲良くなり、しばらくの間文通をしていた時期がありました。とても楽しい思い出です。
しかし大人になり、最近はスマホの普及もあって、昔のように自筆の手紙はめっきり書かなくなりました。
だからでしょうか?最近「手紙を書く」という行為自体が少し難しく感じてしまうようになりました。

年末恒例行事
いつの頃からだったでしょうか?私の手紙は、年に一回の義父母へのお歳暮を贈る時に添えるようになっていました。
この手紙、年に一回にもかかわらず筆不精の私は、なかなか書き始めることができず、主人には「無理しなくてもいいよ」なんて言われながら「ギリギリだけど何とか年内に届けることができた」なんていう年もありました。
とまあ、こんな感じで、なぜかいつも時間に余裕のない私です。
夏休みの宿題もギリギリにならないとできないタイプの人間ですから、いつになってもやるべきことができないことは自分がよくわかっているのです。

そこで私なりに対策を考えました。私のお勤めしている会社は、クリスマスを過ぎて少しすると、年末年始の休暇に入るので、先延ばしにせず休暇に入ったらすぐ、義父母に当てて手紙を書くようにしました。
近年では、私にとって大掃除よりなによりも、最優先の年末行事、それが義父母への手紙です。

私の手紙の書き方
手紙を書き始める前に私が行うルーティーンがあります。
それは、ゆっくり時間をかけて、この一年間の彼の身に起こった出来事を思い浮かべ、いくつかメモに箇条書きにします。
それから書き始めるのですが、その際、注意していることがあります。それは、離れて住む息子の身を案じて義父母が心配になってしまうような書き方をしないと言うことです。
雪深い新潟ならではの出来事や、彼の仕事や健康面についてなど、私なりに一生懸命言葉を選び書き進めます。

私は字が下手で、自分の書いた文字を見るのが本当に嫌なのですが、それでも大切なことは一文字一文字心を込めて書くことだと信じ精一杯丁寧に書いています。
何枚も書き損じ、ごみ箱をいっぱいにしながら、便箋2枚程度にまとめたらひとまず完成です。
出来上がった手紙の内容は季節の挨拶、義父母の体調を尋ねるものなど当たり前の文章は早々に切り上げ、彼らにとっての息子の近況報告がほとんどです。
義父母が知りたいことは何を置いても息子である主人の事で、息子を愛しているからこそ、贈り物をしてくれたり、私に良くしてくれたりするわけです。
たった便箋2枚ですが「息子の幸せな一年間」が伝わればと思っています。

主人には「何を送るよりも、あなたの書いてくれる手紙がウチの両親は一番嬉しいみたいよ」と言われますし、主人のお母さんからは「あの子、男の子だからさ、何も話してくれないのよ。こうやって、あなたがあの子のこと教えてくれるのとても嬉しいわ。ありがとう」と電話で言ってもらえたりします。
そういう言葉をいただけさえすれば単純な私は、頑張っているかいがあったし良かったなと思えます。

年配者には手紙
私と主人は共に50歳を過ぎました。その親ですから、義父母もまあまあの年齢です。
義父母は共に携帯電話は持っていらっしゃいますが、ガラ携でEメールやLINEなどの利用はされません。
もちろん私は義父母と電話は簡単にかけあえる間柄ではありますが、そんなに長電話できるほど言葉も出てきません。
手紙を書くということは、EメールやLINEコメントに比べ時間もかかるし面倒くさくもあります。しかし簡単ではないからこそ、気持ちを込めることができて、その手間がとても貴重なものに感じるのでしょうね。
私たちの親世代に思いを伝えたい場合は、手紙は最適なのではないでしょうか。

大切な両親
私が書いた手紙は、年末に送るので「よいお年を」で締めくくってあるのですが、また、主人の両親から年末に電話がきます。手紙で先に話のネタ提供ができているので会話も弾み、これもそれなりによいコミュニケーションになっているのだと思います。

私の両親は近くに住んでいます。だから思い立ったらすぐに会えるのですが、主人のご両親とはそうは行きません。
主人は私の両親とも上手く付き合ってくれています。だからと言うわけでもありませんが、私も主人のご両親が少しでも喜んでくれるのであれば、この年末恒例行事である手紙をこれからも書き続けて行きたいと思っています。